
DX(デジタルトランスフォーメーション)や業務効率化の話をすると、よくこんな言葉を聞きます。
- 「うちの事務所、汚いから見せるのが恥ずかしいんです」
- 「うちはアナログすぎて、とてもじゃないけど見せられません」
もしかすると、あなたも「よその会社はきっともっとスマートで、ペーパーレスで、かっこよく仕事をしている」と思っていないでしょうか。
結論から言うと、それはほとんど幻想です。私がサポートしてきたお客様は、ほぼ全員が同じような悩みを抱えています。
現場で本当によく見る「3つのあるある」
ここからは、私が実際の現場で何度も目にしてきた「リアルな3大あるある」をご紹介します。「あ、これうちのことだ…」と思ったら、心の中でそっと手を挙げてみてください。
1. 机の上の「地層」とFAXの山(紙の悩み)
まずは紙の悩みです。事務所のデスクを一度じっくり見てみてください。
- 書類が積み上がって、まるで地層のようになっている
- 「あれ、この書類どこだっけ?」と探すたびに、下の方から引っ張り出してなだれが起きる
- 大事な書類が、裏紙のメモに紛れて危うく捨てられそうになる
- FAXが届くたびに「コピーして3人に配る」という謎ルールが、令和の今も続いている
こんな光景、思い当たりませんか?
安心してください。これは「うちだけ」ではありません。多くの会社が、今も紙との戦いを続けています。
2. 魔改造されたエクセルと「この人しか触れないファイル」問題
次はエクセルの悩み、いわゆる属人化の問題です。
- 社内に1つはある、「あの人しか触れない」エクセルファイル
- 計算式が複雑すぎて、もはや誰も中身を解読できない
- ファイルを開くと「マクロを有効にしますか?」と怖い警告が出る
- ファイル名が「売上管理_最新_最終_本当に最終_修正版_確定.xlsx」のように増殖していく
もし、そのエクセルを作った担当者が風邪で休んだら?
その日の請求書発行が止まってしまう――そんなことも現実に起きています。
多くの会社には「エクセル職人」がいて、その人だけが仕組みを理解している状態です。これはまさに、DXや業務効率化を進めるうえで大きなリスクになっていきます。
3. 情報があちこちに散らばっていて、答えがすぐ出てこない
3つ目は、情報の分散です。社長がこう質問したとします。
「この前のあの案件、今どうなっている?」
そのとき、すぐに答えが返ってこず、担当者が慌ててあちこち確認しに走る――こんなことはありませんか?
- Aさんとのやり取りはLINEのトーク履歴の中
- B社からの見積書はFAXの束の中
- 現場の写真はデジカメやスマホの中
- スケジュールは事務所のホワイトボードにだけ書いてある
情報がバラバラに散らばっているせいで、それを集めるだけで半日が終わってしまう。日本中の企業が「探し物」に膨大な時間を使っているのが、今の現実です。
「うちだけひどい」は間違いです
ここまで読んで、「あるある…」とうなずいた方も多いのではないでしょうか。
でも、勘違いしてほしくないのは、「だからダメだ」と言いたいわけではないということです。
私の考えはシンプルで、「みんな同じスタート地点にいる」ということです。
- 最初から完璧にDXができている会社は、ほんのひと握り
- 紙の作業や手書きのメモが多い会社は、今でもたくさんある
- エクセルは「できる人だけがやっている」会社も多い
- 探し物・問い合わせに時間を取られている現場は、どこにでもある
つまり、「うちだけ遅れていて恥ずかしい」と思う必要はまったくない、ということです。
最初の一歩は「現状を正しく認めること」
では、DXや業務効率化の第一歩はどこから始まるのでしょうか。
それは「現状を認めること」です。
部屋の片付けも同じですよね。
「いや、そんなに散らかってないし」と言い続けている限り、片付けは始まりません。
「うちは正直、アナログだよね」「机の上、けっこうカオスだよね」
そうやって現状を認めた人だけが、初めて掃除を始めることができます。
DXや業務効率化もまったく同じで、「うちはアナログだけど、ここから変わっていけるかもしれない」と思えた瞬間から、一歩が始まります。
DXは「いきなり大改革」ではなく「机の上から一歩ずつ」
DXというと、「大きなシステムを入れて、会社を一気に変える」といったイメージが先行しがちです。しかし、中小企業にとって本当に大事なのは、もっと小さな一歩です。
- まずは机の上の紙の山を少しずつ整理してみる
- FAXの「とりあえずコピーして3人に配る」ルールを見直す
- 「この人しかわからないエクセル」を、少しずつ共有できる形に近づける
- 情報が散らばっている状態を「見える化」して、集約する方法を考える
こうした小さな一歩の積み重ねこそが、まさにDXや業務効率化だと私は考えています。
もしこの記事を読んで、
「うちも何か一つぐらい、今のやり方を見直してみようかな」
そう思えたとしたら、あなたはすでに昨日の自分より一歩リードしていると言えます。
「恥ずかしい」から「一緒に考えてみよう」へ
大事なのは、「恥ずかしいから見せない」ではなく、
「今はこういう状況だけど、ここからどう良くしていけるか一緒に考えたい」
と切り替えることです。
DXや業務効率化は、特別な会社だけのものではありません。どんな会社でも、今の状態から一歩ずつ進めていくことができます。
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