
「毎日同じ作業に追われて、本来やるべき仕事に手が回らない」「残業が減らず、社員の負担が大きい」——そんな悩みを抱える中小企業の経営者や責任者の方は多いのではないでしょうか。
業務効率化とは、日々の仕事からムダを省き、より短い時間で成果を出せるようにする取り組みです。私自身、IT未経験からExcelやVBA、GASを学び、実際に「10日かかっていた業務を2日に短縮(80%削減)」した経験があります。
この記事では、業務効率化の基本的な進め方から、私が現場で実践してきた具体的な方法、そして失敗しないためのポイントまで、初心者の方にも分かりやすく解説します。「何から始めればいいか分からない」という方も、ぜひ参考にしてください。
業務効率化とは?今すぐ取り組むべき理由
業務効率化とは、仕事のプロセスに潜む「ムリ・ムダ・ムラ」を見つけて改善し、より少ない時間と労力で同じ成果を出せるようにすることです。
似た言葉に「生産性向上」がありますが、生産性向上は「成果を最大化すること」、業務効率化は「インプット(時間・労力)を最小化すること」と捉えると分かりやすいでしょう。つまり、業務効率化は生産性向上のための手段の一つです。
中小企業が今すぐ業務効率化に取り組むべき理由は、主に以下の3つです。
・人手不足への対応:採用が難しい時代、限られた人員で成果を出す必要がある
・働き方改革への対応:残業削減や有給取得率向上が求められている
・コスト削減:人件費や外注費を抑えながら利益を確保したい
「うちは小さい会社だから関係ない」と思われるかもしれませんが、むしろ中小企業こそ、少しの改善で大きな効果が出やすいのです。
業務効率化のメリット

業務効率化に取り組むと、具体的にどんなメリットがあるのでしょうか。
業務時間の短縮と残業削減
業務効率化の最も分かりやすいメリットは、作業時間の短縮です。
たとえば、毎日30分かかっていたデータ集計作業を自動化できれば、1ヶ月で約10時間、年間で約120時間の削減になります。これは残業代の削減だけでなく、社員のプライベート時間の確保にもつながります。
ヒューマンエラーの防止
手作業で行う業務には、どうしてもミスがつきものです。特に、同じ作業を何度も繰り返すルーティンワークでは、注意力が散漫になりやすく、入力ミスや転記ミスが発生しがちです。
業務を自動化したり、チェック体制を整えたりすることで、こうしたヒューマンエラーを大幅に減らすことができます。
従業員のモチベーション向上
単純作業ばかりを繰り返していると、「自分でなくてもできる仕事」という感覚が生まれ、モチベーションが下がりやすくなります。
業務効率化によって単純作業から解放されれば、社員はより付加価値の高い仕事に集中できるようになります。これは離職率の低下や、会社への満足度向上にもつながります。
業務効率化を進める5つのステップ
業務効率化は、やみくもに進めても成果が出ません。以下の5つのステップで進めることをおすすめします。
Step1 現状の業務を可視化する
まずは「今、どんな業務に、どれくらいの時間がかかっているか」を把握することから始めます。
業務の棚卸しをせずに改善策を考えても、的外れな施策になりがちです。Excelやスプレッドシートに、業務内容・担当者・所要時間・発生頻度を書き出してみましょう。
Step2 課題・ボトルネックを特定する
業務を可視化したら、次は「どこに問題があるか」を特定します。
チェックするポイントは以下の3つです。
・ムリ:能力や時間を超えた負荷がかかっていないか
・ムダ:成果に直結しない作業がないか
・ムラ:月末に業務が集中するなど、偏りがないか
特に、「昔からこうやっているから」という理由だけで続いている作業は、見直しの余地があることが多いです。
Step3 改善策を検討する
課題が明確になったら、どう改善するかを検討します。改善策は大きく分けて以下の4つです。
- やめる:そもそも不要な業務を廃止する
- 減らす:作業の頻度や工数を減らす
- 自動化する:ツールやシステムで自動化する
- 任せる:外注やアウトソーシングを活用する
いきなりツールを導入するのではなく、まずは「やめる」「減らす」から検討するのがコツです。
Step4 改善策を実行する
改善策が決まったら、実行に移します。
ここで大切なのは、「小さく始める」ことです。いきなり全社的に展開するのではなく、まずは一部の業務や部署で試してみて、効果を検証しましょう。
Step5 振り返りと継続的な改善
改善策を実行したら、必ず振り返りを行います。
・想定どおりの効果が出たか
・新たな課題は発生していないか
・さらに改善できる点はないか
業務効率化は一度やって終わりではなく、PDCAサイクルを回しながら継続的に改善していくことが重要です。
【実体験】10日かかっていた業務を2日に短縮した方法

ここで、私自身の体験談をお話しします。
私はもともとIT未経験で、Excelもほとんど使えないレベルからスタートしました。しかし、現場で「この作業、もっと楽にならないか」と考え続けた結果、VBAやGAS(Google Apps Script)を独学で習得し、業務改善に取り組むようになりました。
10日→2日(80%削減)を実現した事例
ある企業では、月末の集計作業に10日もかかっていました。原因は、複数のExcelファイルからデータを手作業で転記し、集計していたことでした。
そこで私は、VBAを使ってデータの取り込みと集計を自動化しました。結果、10日かかっていた作業が2日で完了するようになり、80%の時間削減を実現しました。
「入力をなくす」というハイブリッド思考
私が業務改善で大切にしているのは、「入力をなくす」という考え方です。
多くの現場では、「紙に書いたものをExcelに入力する」「Excelのデータを別のシステムに転記する」といった二重入力が発生しています。この「入力作業」こそが、時間がかかりミスも起きやすい元凶です。
たとえば、ある青果卸売業の企業様では、農家さんからの納品データを手入力で管理していました。繁忙期には入力業務がパンク寸前になることもありました。
そこで私は、以下のような構成を提案しました。
・入力:農家さんがGoogleフォームから直接入力(LINE連携で通知)
・集計:スプレッドシートでデータを自動集計
・帳票発行:既存のAccessシステムにCSVをインポートして仕切書を発行
ポイントは、既存のAccessシステムを無理に捨てなかったことです。「全部新しくする」のではなく、「入力部分だけクラウド化する」というハイブリッド構成にすることで、コストを抑えながら大幅な効率化を実現しました。
「分かるまで伴走する」というスタンス
私は、ただツールを作って終わりではなく、「分かるまで伴走する」ことを大切にしています。
IT未経験の方が多い現場では、「ツールを導入しても使いこなせない」「結局、元のやり方に戻ってしまった」ということがよく起こります。
だからこそ、導入後のフォローや、現場の方への丁寧な説明を重視しています。私自身がIT未経験からスタートしたからこそ、「どこでつまずくか」が分かるのです。
業務効率化に役立つ具体的な方法6選
ここからは、すぐに取り組める業務効率化の具体的な方法を6つご紹介します。
整理整頓でタイムロスを削減する
業務効率化の基本は、整理整頓です。
デスク周りが散らかっていると、必要な書類を探すだけで時間がかかります。同様に、PC内のフォルダが整理されていないと、ファイルを探すのに無駄な時間を費やしてしまいます。
まずは以下を実践してみてください。
・デスクの上には、今日使うものだけを置く
・PCのデスクトップは最小限のアイコンに整理する
・フォルダは「年度」「プロジェクト」などで分類する
ショートカットキーを活用する
ショートカットキーを覚えるだけで、作業スピードは格段に上がります。
よく使うショートカットキーの例:
・コピー:Ctrl + C(Macの場合はCommand + C)
・貼り付け:Ctrl + V(Macの場合はCommand + V)
・元に戻す:Ctrl + Z(Macの場合はCommand + Z)
・全選択:Ctrl + A(Macの場合はCommand + A)
・上書き保存:Ctrl + S(Macの場合はCommand + S)
・検索:Ctrl + F(Macの場合はCommand + F)
一つひとつは数秒の差ですが、1日に何十回、何百回と使う操作なので、積み重なると大きな差になります。
Excel関数・マクロを活用する
Excelを使った業務が多い方は、関数やマクロを活用することで大幅な時短が可能です。
よく使う関数の例:
・VLOOKUP / XLOOKUP:別の表からデータを検索して取得 ※XLOOKUPはMicrosoft 365 / Excel 2021以降で対応
・SUMIF / COUNTIF:条件に合うデータを集計・カウント
・IF:条件によって処理を分岐
さらに、繰り返し行う作業はVBAでマクロ化すると、ボタン一つで自動実行できるようになります。
業務マニュアルを作成する
「この業務は○○さんしかできない」という状態は、属人化と呼ばれ、業務効率化の大きな障壁になります。
業務マニュアルを作成しておけば、誰でも同じ品質で作業できるようになり、引き継ぎもスムーズになります。
マニュアル作成のポイント:
・手順を「大項目→中項目→小項目」に分けて整理する
・スクリーンショットや図を入れて視覚的に分かりやすくする
・定期的に内容を見直し、最新の状態を保つ
ツールで業務を自動化する
繰り返し発生する定型業務は、ツールを使って自動化することを検討しましょう。
・Googleフォーム:アンケートや申請の入力を自動でスプレッドシートに集約
・GAS(Google Apps Script):スプレッドシートの集計やメール送信を自動化
・RPA:PCでの繰り返し作業をロボットが代行
「プログラミングは難しそう」と思われるかもしれませんが、GASは比較的学習コストが低く、Excel VBAの経験があれば取り組みやすいです。
アウトソーシングを活用する
「自動化するほどではないけど、社員がやる必要もない」という業務は、外注(アウトソーシング)を検討しましょう。
たとえば、データ入力や経理の記帳代行、電話対応などは、専門の代行サービスを利用することで、社員がコア業務に集中できるようになります。
業務効率化でよくある失敗と注意点
業務効率化は、進め方を間違えると逆効果になることもあります。よくある失敗パターンを知っておきましょう。
ツール導入が目的化してしまう
「とりあえずRPAを入れてみよう」「流行りのツールを導入しよう」という進め方は危険です。
ツールはあくまで手段であり、目的は「業務の課題を解決すること」です。まずは課題を明確にしてから、その解決に適したツールを選ぶようにしましょう。
現場の声を聞かずに進めてしまう
経営者や管理者が一方的に「このツールを使え」と導入しても、現場に定着しないことがよくあります。
業務効率化を成功させるには、実際に業務を行っている現場の方の意見を聞き、一緒に進めることが大切です。「なぜこの改善が必要なのか」を丁寧に説明し、納得してもらうことが定着への近道です。
一気に全部やろうとしてしまう
「せっかくだから全部の業務を効率化しよう」と意気込むと、どれも中途半端になりがちです。
まずは一つの業務、一つの部署から始めて、小さな成功体験を積み重ねることをおすすめします。成功事例ができれば、他の部署にも展開しやすくなります。
まとめ:業務効率化は「小さな改善」の積み重ね

業務効率化は、一度に大きく変えるものではなく、小さな改善を積み重ねていくものです。
この記事でお伝えしたポイントをまとめると、以下のとおりです。
・まずは現状の業務を可視化し、課題を特定する
・いきなりツールを導入するのではなく、「やめる」「減らす」から検討する
・小さく始めて、効果を検証しながら進める
・現場の声を聞きながら、一緒に改善していく
私は「作る人」ではなく、「分かるまで伴走する人」として、ITが苦手な中小企業の業務改善をサポートしています。
「何から始めればいいか分からない」「自社に合った方法を知りたい」という方は、ぜひお気軽にご相談ください。
【訪問対応エリア】 茨城県(神栖市・鹿嶋市・潮来市・鉾田市・行方市・稲敷市・つくば市・大洗町・茨城町・水戸市 など) 千葉県(香取市・東庄町・銚子市・成田市 周辺) ※オンラインでの対応も可能です。全国からのご相談をお待ちしております。
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