
「同じデータを二回入力しなきゃいけない」「今月の収支がパッと見えない」
この2つの悩みを抱えていた、茨城県内のある青果卸売業者様の事例をご紹介します。
こちらのお客様では、集荷依頼の受付から出荷データの作成まで、紙ベースの業務・電話やFAXでのバラバラな受付・Accessシステムへの二重入力が日常的に発生。さらに収支の全体像を把握するにも手間がかかり、「今月は儲かっているのか?」がすぐには分からない状態でした。
スガサポではGoogleフォーム+Google Apps Script(GAS)による業務自動化システムを新たに構築し、二重入力をゼロに。さらに売上データを自動集計してLooker Studio(Googleの無料ダッシュボードツール)で収支を「見える化」しました。この記事では、その具体的な中身と効果をお伝えします。
こんな状況になっていませんか?
- 農家さんからの注文や依頼を電話・LINE・FAXなどバラバラな方法で受けている
- 受けた内容を紙にメモしてから、またシステムに手入力している
- 同じデータを市場用と農家用で二回入力しなければならない
- 手入力の全角・半角混在でデータが一致せず、検索やマッチングが狂う
- 「今月の売上・利益がいくらなのか」をすぐに確認できない
- 「誰かしか分からないやり方」が増えて、引き継ぎができない
「エクセル転記 自動化」「業務効率化 事例」を検索したことがある方は、すでに限界が近いサインです。 この状況を放置していると、ミスが積み重なるだけでなく、担当者の離職・引き継ぎ失敗という深刻なリスクにつながります。
お客様の課題(Before):紙とAccessの二重入力に追われる日々
こちらのお客様について
茨城県内の青果卸売業者様で、個人農家(生産者)から青果物を集荷し、複数の市場・取引先へ出荷・販売・精算を行っています。いちご・メロン・トマト・すいか・さつまいも・葉物野菜・根菜など10品目以上を取り扱っています。
課題1:すべてが紙ベース、受付方法もバラバラ
農家さんからの集荷依頼は、電話・LINE・FAXとバラバラな方法で届いていました。届いた内容は紙にメモし、それを見ながらシステムに入力するという流れです。ExcelやGoogleスプレッドシートも使っておらず、デジタルでデータを管理する仕組みがない状態でした。
課題2:Accessシステムの二重入力
最終的に伝票を市場や農家さんへ提出する必要があるため、既存のAccessシステムを使っていました。しかしこのAccessシステムは、市場向けの送状データと農家向けの仕切データで、同じ内容を二回入力しなければならない仕様でした。1日に何十件もの出荷があるなかで、この二重入力は大きな時間的負担であり、入力ミスの温床でもありました。
課題3:売上計算・単価突合も手動、収支がすぐに見えない
市場から返ってくる単価情報との突合を手作業で実施。手仕切料・運賃・消費税の計算を手動で行い、計算ミスのリスクが常につきまとっていました。さらに、売上や利益のデータがバラバラに散らばっていたため、「今月の収支はどうなっているか?」を把握するのにも大きな手間がかかっていました。
課題4:資材注文も紙ベースで管理
資材注文も品目ごとにバラバラに管理されており、発注状況の全体把握が困難でした。資材コードの手書きミスも多く、在庫状況のリアルタイム把握もできない状態でした。
全体像:「紙文化・属人化」が最大のリスク
情報はリアルタイムに共有されず、電話・FAXでの確認作業が多発していました。業務のやり方は特定の人の頭の中にしかなく、「この人がいないと回らない」という状態が複数の業務に存在していました。業務効率化以前に、紙からの脱却と属人化の解消が急務でした。

導入したシステム(What):Googleフォーム+GASで紙業務をデジタル化
スガサポでは、「紙からデジタルへ」「バラバラを一元化する」ことを最初のテーマに設定しました。まず集荷依頼の受付をGoogleフォーム化してスプレッドシートにデータを自動蓄積。そのデータを処理するロジックはGAS(Google Apps Script=Googleが提供する無料のプログラミング環境)の共通ライブラリに集約し、各品目のスクリプトはそれを呼び出すだけのシンプルな構造にしました。修正は共通ライブラリの1箇所を直すだけで、全品目に反映される仕組みです。
構築した主要システム
① 集荷依頼のGoogleフォーム化+GAS自動処理
農家さんからの集荷依頼をGoogleフォーム(スマホ対応)で受け付ける仕組みを新たに構築しました。電話・LINE・FAXでバラバラだった受付が一本化され、送信データはGoogleスプレッドシートに自動蓄積されます。共通ライブラリ(lib_core.js、765行)に全処理ロジックを集約し、各品目スクリプトは約65〜70行のシンプルな構造に。生産者番号の全角→半角自動変換、マスタデータ自動参照による入力ミスの排除も実装しました。フォーム送信と同時にDiscord(チーム向けチャットツール)へリアルタイム通知が飛ぶため、チーム全員が即座に情報を把握できます。
② 出荷データ作成の完全自動化(二重入力の解消)
スプレッドシートに蓄積された集荷データから、市場日付・取引先コード・生産者名・商品名で自動グルーピング。小計行・空白行の挿入ルールをプログラムで正確に処理し、Accessデータベースへの出力を自動化しました。これまでAccessに二回入力していた作業が完全にゼロになりました。
③ 市況単価・売上管理の自動マッチング+収支の見える化
市況単価データ(CSV)を自動インポートして出荷データと突合。手仕切料率(10〜11.5%)・運賃・消費税(8%)を自動計算し、売上管理シートと仕切書用Accessファイルへ同時出力します。
さらに、Accessに入力されたデータをGASで売上集計スプレッドシートに自動集約し、Looker Studio(Googleの無料ダッシュボードツール)で収支をグラフ化。ブラウザを開くだけで「今月の売上・利益・品目別の推移」がひと目で分かるようになりました。
④ 資材注文フォームの一元化
バラバラだった資材注文を1つのスプレッドシートに統合。品目カテゴリを選ぶと資材候補が自動フィルタリングされ、生産者番号を入力すると名前が自動表示されます。資材コードの手入力ミスが排除されました。
⑤ 社内WebアプリをGASで構築
PC・モバイル両対応の社内集荷依頼入力フォームと資材注文フォームを、GAS Web App(ブラウザで動くアプリ)として構築。専用アプリのインストールが不要で、ブラウザだけで使えます。
⑥ Googleサイトで社内ポータルを構築
スプレッドシート・Googleドライブ・Webアプリ・Looker Studioのダッシュボードなど、業務に必要なツールをすべてまとめた社内ポータルサイトをGoogleサイト(無料)で作成しました。社員は1つのサイトを開くだけで、必要な情報やツールにすぐアクセスできます。「あのファイルどこだっけ?」「あのアプリのURLは?」と探し回ることがなくなりました。

エクセル転記自動化で実現したデータフロー
農家さんがGoogleフォームで集荷依頼を送信
↓(GAS自動処理)
スプレッドシートに自動蓄積+分荷表に自動書き込み
↓(GAS自動処理)
Access用Excelファイルに自動エクスポート(二重入力ゼロ)
↓(市況単価CSVと自動突合)
売上管理シート+仕切書Accessファイルへ同時出力
↓(GAS自動処理)
売上集計スプレッドシート → Looker Studioで収支を「見える化」
この流れにおいて、人間が手でデータを転記するポイントはゼロです。

導入後の効果(After):業務効率化の成功事例

時間とミスの削減
| 業務 | Before | After |
|---|---|---|
| 集荷依頼の受付 | 電話・LINE・FAXでバラバラ | Googleフォームで一本化・スプレッドシートに自動蓄積 |
| 出荷データの作成 | 紙→Accessに二重入力 | 完全自動化(転記ゼロ・二重入力ゼロ) |
| スクリプトの修正 | — (デジタル管理の仕組みがなかった) | 共通ライブラリ1箇所で全品目に反映 |
| 生産者番号の不整合 | 手書き・手入力でデータ乱れ | 自動変換で不整合ゼロ |
| 売上計算(手仕切料・運賃・消費税) | 手計算でミスのリスク | 自動計算でゼロリスク |
| 資材注文の管理 | 品目ごとにバラバラ管理 | 1フォームに一元化 |
| 収支の把握 | データが散在し、すぐに確認できない | Looker Studioでいつでもひと目で確認 |
| 業務ツールへのアクセス | ファイルやURLがバラバラで探す手間 | 社内ポータルサイト(Googleサイト)に全集約 |
| 情報共有 | 電話・FAXで確認 | Discord通知でリアルタイム共有 |
属人化の解消
紙ベースで特定の人にしか分からなかった業務を、共通ライブラリに集約されたGASシステムとして「見える化」しました。「誰も分からないやり方」がなくなり、構造が整理されているため、新しいメンバーでも保守・拡張が可能になっています。新品目の追加は設定ファイル(CONFIG)の変更のみで対応できます。
農業DXの視点から見た成果
農業・農産物流通におけるDX(デジタルトランスフォーメーション) の本質は、高価なシステムを導入することではありません。紙ベースの業務をGoogleフォームやスプレッドシートでデジタル化し、GASで「つなぎ目」を自動化して、人間がやらなくていい転記作業や二重入力をプログラムに任せる——その積み重ねが、日々の業務を大きく変えます。
こちらのお客様の事例は、「紙文化から段階的にデジタル化を進め、既存のAccessシステムとも連携しながら業務自動化を実現した」農業DX成功事例の一つです。
費用感と導入のハードル
スガサポの業務自動化支援は、初期の構築費用に加え、月額の保守契約もご用意しています。構築後のメンテナンス・機能追加・トラブル対応も安心してお任せいただけます。
費用は業務の規模・複雑さによって異なりますが、「まず一番困っている部分だけ」を自動化するところから始めることも可能です。
よくある心配ごと
「GASやVBAの知識がないと使えないか?」
GAS(Google Apps Script)とは、Googleが提供する無料のプログラミング環境のことです。日常業務での使用は、ボタンを押す・フォームに入力するだけなので、GASの知識は不要です。
「既存のAccessデータベースや社内システムと連携できるか?」
こちらのお客様のケースのように、既存のAccessデータベースとの連携を維持しながら、段階的にクラウド化することが可能です。
「属人化していてシステム全体を把握している人間がいないが、どこから手をつければよいか?」
まず現在の業務フローをヒアリングし、「どの作業が最も時間がかかっているか」「どこでミスが起きているか」を整理するところからスタートします。スガサポでは初回の無料ヒアリングを実施しています。
Excel業務の自動化・GAS活用について、まずはご相談ください
「紙の業務をなんとかしたい」「転記ミスをなくしたい」「毎日の手作業を減らしたい」「誰でも使える仕組みにしたい」——こうした課題にスガサポが対応します。
スガサポは茨城県を拠点とし、中小企業・農業法人のExcel業務自動化・GAS活用を支援しています。専門家でないとわからない技術的な話ではなく、「現場でどう使えるか」に焦点を当てた提案が特徴です。オンラインでの全国対応も可能です。
スガサポの強み
- 現場業務を理解した上での設計 — 農産物流通の複雑な業務ルールにも対応
- 既存のExcel・Access環境をそのまま活用 — 大規模なシステム入れ替え不要
- 段階的な構築 — 「まず一番困っているところだけ」から始められる
まとめ
- 紙ベース・電話/FAX受付の業務をGoogleフォーム+GASでデジタル化し、転記と二重入力をゼロにできる
- Looker Studio(無料)で収支をいつでもひと目で確認できる環境を構築できる
- GASの共通ライブラリに処理を集約することで、保守コストと属人化を同時に解決できる
- 農業・青果流通のような複雑な業務でも、既存のAccessや社内システムと連携しながら段階的に自動化できる
- 初期構築費用+月額保守契約で、中小企業・農業法人でも導入しやすい
- まず「どこに時間がかかっているか」「どこでミスが起きているか」を整理することが第一歩
Excel転記の自動化、GASを使った業務効率化について、まずは無料でご相談ください。
この事例の数字と仕組み(業種×課題×技術×成果)を1ページにまとめた導入実績:青果卸売業の集荷・出荷・資材注文を自動化も公開しています。
お問い合わせは無料です。お気軽にご相談ください。
よくある質問(FAQ)
Q1. Excel自動化(GAS)の導入にはどれくらいの費用がかかりますか?
A. 業務の規模・複雑さによって異なります。「まず一番困っている部分だけ」という部分的な自動化から対応可能です。初期の構築費用に加え、月額の保守契約もご用意しており、構築後のメンテナンスや機能追加も安心です。詳細はお問い合わせください。
Q2. GASやVBAの知識がなくても使えますか?
A. GAS(Google Apps Script)とは、Googleが提供する無料のプログラミング環境です。VBA(Visual Basic for Applications)はExcelで使われるプログラミング言語です。どちらも日常業務での操作はボタンを押す・フォームに入力するだけなので、知識は不要です。スガサポが構築・保守を担当するため、社内にIT担当者がいなくても問題ありません。
Q3. 業務効率化に取り組みたいが、どこから手をつければよいかわかりません。
A. 最初に業務フローのヒアリングを行い、「最も時間がかかっている作業」「最もミスが多い作業」を特定します。すべてを一度に変える必要はなく、効果が大きい部分から段階的に自動化するアプローチをとっています。まずは無料でご相談ください。
Q4. 紙ベースの業務が多いのですが、いきなり全部デジタル化するのは不安です。
A. こちらのお客様も、最初は紙ベースですべての業務を行っていました。スガサポでは「まず一番困っているところだけ」から段階的にデジタル化を進めるアプローチをとっています。既存のやり方を残しながら、少しずつ移行していくことが可能です。